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冬の空/7

冬の空/7_c0168955_652041.jpg「畑あり家ありここら冬の空」こういう句を読むと、俳句の上手下手とは何かと考えさせられてしまう。たぶん、この冬空は曇っていると思われるが、見知った土地の畑の中に民家が点在している様子を作者はあらためて見回しているのである。曇り空と判断する根拠は空が抜けるように青かったとすれば、作者は地上の平凡な光景をあらためて確認するはずがないと、まあ、こんなところにある。この時、作者は弱冠26歳。「ホトトギス」最年少の同人に輝いた年だ。しかし、この句から二十代の若さを嗅ぎ取る読者はいないだろう。どう考えても、中年以降の人の句と読んでしまうはずだ。「ホトトギス」の親分であった高浜虚子はなかなか隅に置けないジャーナリストで、新同人の選別にあたっても‥‥ 続きを読む♂
by tomhana0901 | 2014-02-05 04:20
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